牧場で働くaochanの生活をリアルに配信



平成26年4月を迎えます。
黒部での生活が4年目に突入します。


2014/06/16

責任

今日、牛舎現場の人事移動が上司より発表。

良かったような、悪かったような。
いや、悪かったなぁーと。

全部俺の責任だなぁと、牛舎で頑張ってくれているスタッフに
申し訳ない気持ちでいっぱいです。

もっとあの時、あーしてれば。こーしてれば。
そうすれば、今回の移動はなかったかなぁと、
思うところも結構あります。

うーん。みんなごめんねー。

2014/06/02

後悔しない生き方。

「やらなくてはならないこと。」と、自身で決めている事の膨大さに
押しつぶされそうになって、逃げたくなったりする。

それは、誰かに強制されているものではなくて、
職場状況を見た時の自己判断に基づく、
勝手に自分に課しているものであるけれど。

やりたいこと、やってりゃ良いんだけど、
無意識にも職場に対する義を大切に、働こうとする自分にとって、
今の職場の状況は、非常に自分を追い込む結果になってしまっている。
と、職場の所為にしてしまっている時点で、義なんてものが立つわけないけれど。

とにかく、今の心境がマズイのは自分でもよくわかる。

なんで、やらなきゃいけないの。
どうして、思うとおりに行かない。
言うことが伝わらない。
もっとやりたいことがある。
自分の仕事が終わらない。
ここ一つに集中していたい。
あいつが悪い。
あいつの所為だ。
俺の所為じゃない。
違う違う違う。

なーんて、心の声が湧き上がってくる最近。
全部違うし、不毛じゃし。

上手くいって、ノッてるとき。
がむしゃらでいれる時は、こんな思いにはならないけども。

どこかで、ずれ始めると、それが重なる時。心が逃げ始める。
というか、ぶれ始める。

こういう時に、その心のコントロールを明け渡したら、一気に持って行かれる。
駄目になる。正しい判断が不能になって、やけっぱちになって、
取り返しがつかなくなる。

最近、そこんとこがやばい。
人としてマズイ。
完全に理性のネジ、ちょっと飛んでる。

それでも精一杯の判断、今できる、自分の中の最良の決断をするために、
過去の逃げたい現実にぶち当たったシチュエーションを回想する。

辛かったあの時、自分がどうしたか。
どういう言葉をかけてもらっていたか。
もっと判断材料は転がってなかったか。
ほかにどんな選択肢があったか。
その心境は。その行動は。タイミングは。その結果は。

何度も繰り返し、思い返す中で、今まで見えなかったものが
突然見えたり、見えなくなったりする。

こうして、今自分の選択を決めていく。

現状を打開する方向性と。方法と。タイミングと。

その作業に、正解はないと思う。

あったら終わりと思う。

死ぬまで続く、この葛藤の中で、自己の成長をあきらめない。

後悔の連続の中で、次を目指す。今を生きる。

それが、後悔しない為の生き方だと思う。




いま、毎日が決闘。

休みも休みじゃない。



でも、時間は平等に過ぎていく。

2014/05/27

成長する考え方と成長できない考え方


「成長する考え方」と「成長できない考え方」

という内容のトピックを見つけて読んでみると、なるほどな。と。

「かっこつけたい!」って時、大いにあります。

でも、一方で「これだけはしっかり理解しておきたい」と積み上げることもあります。

その両方がわかるから、この記事には非常に納得を覚えました。

また、興味深かったのが、4歳の子供に対して行ったテスト。

大人のほめ方、教え方一つで、その子の思考回路は大きく変化する。

結果をほめるか。努力をほめるか。

何気ないほめ方一つをとっても大きなきっかけとなる。

ほめれば良いってもんでもないこと、すごく驚きました。


職場でも、活かせるところあるかなと、思います。

仕事では、ついつい結果を求めるところが多かったりするのは仕方のないことですが、

その成功が、偶然か、着実なものか。

一緒に検証するのも必要な作業と感じました。

成功した。→良くやった。→次もがんばれ。

ではなくて、

成功した。→良くやった。→どうやった?→次も頼むぞ。

といったように、「それ、どうやったの?どう考えたの?」といった、

確認作業を一緒に行う事。これがお互いの為になる気がしました。


成長するための思考回路、鍛えていきたいものです。

2014/05/01

牛乳と癌の関係→日本で搾られた牛乳では無関係?

牛乳って、栄養満点で成長期の子供だけでなく、大人においても健康を維持していく上でも有効な食品だって言われる反面、「太る」とか「日本人に合わない」とか、最近では「癌になる」といった言われ方をします。

太るとか日本人に合わないって言うのは、そもそもの根拠があやふやで意味不明なので無視していますが、「癌になる」という情報に関して言うと、論文まで発表されているので勉強してみました。

すると、牛乳を飲みすぎることで癌のリスクが高まるといった話は事実のようですが、厳密にいうと、その話の裏には「rBGH」という成長ホルモンがカギになっているようです。

rBGHという成長ホルモンですが、要するに「仔牛を早く大人の牛にしてしまえば、早く牛乳搾れるし経済的じゃん!」という狙いで、使用されています。使用されているといっても、日本での使用は一切禁止されているし、現場作業では聞いたことすらない代物なんですが。

それで、このrBGHは成長ホルモンというだけあって、細胞の分裂成長を過剰に促します。そして、使用された牛は、やはり成長が早くて、しかも大きくなる。そして牛乳もイッパイ出してくれるわけです。ただ、使用された牛にもリスクが現れます。その一つがrBGH投与牛から検出されるIGF-1というインスリン様成長因子で、成長ホルモンの刺激を受けて主に肝臓より分泌される細胞の成長に非常に強く関与する物質。この濃度が非常に高値で「牛乳から」検出されるようです。

この牛乳を多量に摂取すると、摂取した人間の細胞もこのIGF-1の影響を受けます。すると、細胞の分裂が促され、細胞分裂が増えることによりガンのリスクが増すわけです。

先進国で唯一rBGHの使用が容認されているアメリカですが、この事実は国内でも問題視されているようです。

こういった事実が、日本国内で取り上げられ、あたかも全ての牛乳が「ガンになる」原因だ。と言わんばかりに情報が流れていたんですね。アメリカでも、成長ホルモンを使用している農場がすべてではなくて、アメリカ全体の20%だという情報を見たことがあります。

もう一度言うと、日本では、成長ホルモンの使用は禁止されているし、現場作業をしている人間が見たことも聞いたこともない物質です。
牛乳とガンとの因果関係となっている成長ホルモンの投与といった前提が説明できない日本国内で生産された牛乳はガンとの関係とで言えば、現状「無関係」と言えるんじゃないでしょうか。
ただし、某国からの輸入品(主に脱脂粉乳やチーズでしょうか?)で無ければ・・・ですが。

2014/04/23

簡単な試算。

昨日訪問した牛舎を思いながら、かなりアバウトな計算をしてみました。

施設・機械にかける修繕等が7500万円。
牛の導入2000万円。
運転資金500万円。
しめて1億。

やっぱり、なんですが、このご時世、30頭規模じゃぁ借金返済できないなぁ。と。
でも、富山の酪農家はおおむね30頭そこそこの牛舎なんです。

ってことは、どこも再投資及び借金(施設の購入など)は困難な状態にあるように思いました。
なので、富山で酪農をやろうってのは無理なんじゃねぇかと。
そう、薄々思っているところです。

やれるとしたら、
トラブルなく現行の経営者の後継者として入れ替わりで入る。
搾乳規模50頭以上が実現可能。
育成牛舎完備で粗飼料生産基盤を持っている。
宝くじ当たる。

みたいな事が起きないと厳しいと思っています。





2014/04/22

城端へ行ってきました

空き牛舎を見せていただくため、現地へ行ってきました。
場所は、富山屈指の豪雪地帯。
牛舎は30頭規模の繋ぎ牛舎。

育成舎は倒壊で、堆肥舎は面積不足。
敷地近くに、地域外の人が昨年より居住。

条件的には悪くないように思うも、
やっぱりネックな条件も兼ね備えている感じでした。

何より、これだけの再投資が必要で、
30頭牛舎は厳しいものがあるなぁと思っています。

富山県、離農農家は多いものの、
非常に条件が厳しいです。

焦りばかりが増していますが
冷静な判断を、していきたいと思っています。

なんか、くやしいなぁ。

2014/03/23

生産者としての喜び

今日、牧場で搾った山羊乳を使ってチーズを作っている職人に
「青沼さん!今年はチーズの出来がすごくいいです!」
という言葉をかけてもらいました。
と、いうのも、昨年秋から山羊の飼養設計担当を担っていました。
昨年の山羊乳は、乳成分も乳脂率が3%を下回り、
チーズにする際のカードの凝集も悪く、歩留りも10%程度でした。
当時は山羊乳だからなのか。とチーズ職人もあきらめムードがありましたが、
昨年秋に、やっぱりもっと乳質が改善できないか?と相談を受けていました。
そこで、エサの設計を当時の担当から変わってもらい、大幅に内容を変えました。
丁度乾乳に入るころだったので、メニューを変えるにはちょうど良かったです。
乾乳中に腹を作り直して、現在泌乳が始まって約1か月。
乳成分は乳脂肪がAM3.8%、PMが5%でした。
そして、チーズにした時の歩留りが13%に大きく改善して
なにより、作っているときのカードの反応がすごくいい!とほめてもらえました。
生産しているものとして、使い手、さらには食す人が「良い!」と思ってもらえる事、
そして、それを伝えてもらえたことは本当に嬉しいことなんだなぁ。と実感。
これまで勉強してきたこともズレてないこともわかりました。
そんな嬉しいことがあった、今日なのでした。

2014/03/17

開発


今、黒部市では開発がドンドン進んでいます。
田んぼが転用されて、道路の拡幅や住宅用地、大型スーパーの開発が進んでいます。
いよいよ開業間近にせまった新幹線。
この開発に寂しさを覚えたりします。
このあたり一帯の田畑は10年後には無くなってしまうかもしれません。
土づくりに数十年かけてきた、基盤と技術は継承されることなく、
たった一瞬で埋め立てられ全く別のものになってしまう。
農の業(ワザ)をもっと大切にしていきたいなぁ。


2014/03/07

初産月齢の若齢化

近年、育成牛の初産月齢が低下しているというトピックをよく目にします。

某酪農雑誌では、分娩月齢が若返ることによるメリットが育成費の

削減だけではないことを示すグラフを掲載していました。

そのグラフによると、24か月齢分娩の初産牛よりも

21-22か月齢の初産牛の方が、初産における乳生産が優れていた。

と、いうものでした。

このデータはアメリカでの結果ですが、日本ではどうなのでしょうか?



私の身の回りでは、未だに24日月齢分娩を目標とした管理が言われます。

その理由は、初産での分娩リスクであったり、早く産ませると乳量が出ない。など

様々なものが聞かれます。

それは、つまり、日本の牛が早期熟成にむけた育成管理をなされていない。

もしくは、そういった遺伝的改良が遅れている可能性を感じています。

これまでの「当たり前」は、現代では時代遅れなんてことはしょっちゅうです。

私が高校生の時から言われている24日月齢を初産の目標にするなんてのは、

もう10年も前になるって思うと、年月の流れの速さに驚きますが。。。



冒頭の内容に戻りますが、早く産ませれば乳量が出る。なんて単純な話ではないと思います。

早く初産を迎えるには、早期に種付けを開始する必要があります。

それは、当然リスクを抱えての種付けという意味ではないはずです。

これまで15,16か月に授精を完了させていたものを、13、14か月に完了させることになります。

そのためには、出生から8か月までの飼養管理の見直しが重要だと思います。

強化哺乳による早期離乳も目的に反している気がします。

また、離乳後のCP濃度とその内容もこれまでの内容と量では足りません。

さらに、乾乳期の管理意識を母体だけでなく

胎児をも意識した管理を必要としているかもしれません。



初産分娩月齢を3か月若返らせることによる、経済的効果は大きいです。

とくにこの粗飼料が高騰している時代背景を考えればなおさらです。

後継牛頭数も減らせて、判別精液の使用により、計画的に産子を得れば

現金収入も増えるかもしれません。飼養スペースにもゆとりができるかもしれません。

それらの金額を理解すれば、

育成初期や乾乳期の投資金額を見直すことも苦ではないはずです。



様々なシミュレーションと実践、検証を繰り返して、

時代に負けない酪農を目指していきたいものです。



2014/02/01

1/30-31 東京出張研修

東京の神田まで出張研修に行ってきました。

全国の公共牧場の場長とか管理している役場の人とかみたいな

みんな肩書を持った偉い人たちが参加して勉強する研修会です。

そんな中に、肩書すらない上に正規職員でも無い「嘱託職員(牛舎リーダー)」という

わけのわからん若者が乗り込んで勉強させていただきました。

ここで得たことは、今いる牧場へ還元し、のちの自分のスキルとして

持っていきたいと思い飛び込んできました。


初日の講習では、やはり技術的な内容に興味を惹かれ、

教科書にしたい実践例に出会えることがあったのが大収穫でした。

基本的な4つの原則。あとは、その講演をしてくださった方の

「もっとも」な感性に触れることができたのが大きかった。

再度、自分のしている作業を見直して、

もっとそういう目線から牛を見ていくことを大切にしようと思いました。

意識している「つもり」になっていること、結構ありました。

いつの間にか「そういうもの」としてあきらめている事、結構ありました。


2日目は、うーん。どうじゃろ。

ディスカッションという名目で、各参加牧場の現状と課題をみんなで考える

といったものだったようですが、結局なんの身にもなっていないような気がしました。

それは良いとか悪いとか。環境を理由にして逃げ回った発言を繰り返してたり。

「本気で立ち向かう気ありますか?」と、感じることがしばしば。

アドバイスする側も、「俺はこんなに頑張ったけどね!!!」みたいな。

根本に迫る、相手の悩みに寄り添った研究はなされていなかったと思います。

もったいない半日でした。


それを差し引いても、初日の講演が素晴らしかった。

月曜日からの仕事が楽しみです。