「酪農を知ってもらいたい。」
サラリーマンの過程で育って、農業に触れる、知る機会なんてほとんど無かった。でも、ひょんなことをきっかけに酪農にのめり込んだ。結局、どんな環境に育っても、出会うか出会わないかでは選択の可能性が大きく変化する。
酪農って確かに辛い部分もあるけれど、それでも楽しい部分、感動する部分、美味しい部分、可愛い部分、辛い事よりもそれ以外の事がたくさんある事に気がついた。もっと多くの人に知ってもらいたいとずっと思っている。
そして、酪農を知ってもらう事、それは酪農家ができる最大の販売促進運動になると思う。農家は牛に手いっぱいで牛乳を委託する。でも、そこで終わりじゃない。農家にしか出来ない事がある。それは、酪農と牛と牛乳は一緒なんだって事を、牛乳を飲んでくれる人、普段飲まない人に知ってもらう事。そういう取り組みが、牛乳の消費を伸ばすと思う。
牛乳の消費が落ち込んできたから生産調整の依頼が農家に来る。農家は「もっと売る努力をしろ」と突き返す。それは違う。農家が牛乳を売るために何をして来た?そう思う。
酪農家にしか出来ない事がある。やるべき事をやらないでいた現実がある。そんな当たり前のハズの取り組みを、当たり前に行える酪農家になりたい。そう考えている。
臭い、キタナイ。そう言われて肩身が狭くなる。その現状を作りだしたのも酪農家。理解を求める事をしない。どんどん内に籠り、聞こえないように愚痴を言ってきた。知ってもらえば、一言で酪農家を評価する事なんて出来なくなる。確かに、臭い、キタナイ。けれども、牛は可愛い、牛がくれる牛乳は美味しい、チーズが食べたい。と、理解してもらう。そういう取り組みをしてこなかった農家。変わって行くべきだと思う。
こういった取り組みが、酪農家の未来を決める。
牛乳が売れない。なら売るための努力を。
地域に嫌われる。なら、好きになってもらう努力を。
私にとっては放牧も、乳製品の加工も、酪農教育ファームの認可も、ファームインも、酪農を広めるための手段。夢をかなえたい。そして、夢の続きを見たい。
そう今は思っている。
2009 中沢牧場 牛にも表情・感情がある |
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